2021.6

2021．6.24 小話

“理想の人“

そんな記事を見た。
流れてきたからタップして、開いてみたら案の定。
『理想の人と巡り会うには』『意中の相手は理想の相手！？』『運命の相手！？』
そんな事ばっかり。

そんな記事を開いてしまったせいで、ホームに戻ってもタイムラインには恋愛恋愛恋愛。
全く面白くない。

いよいよ目に入ってくるのは『可愛くなりたいならこれ！』だの、『痩せて可愛くなりたい女子はこれを見ろ！』だの。
八つ当たりするみたいに、携帯をベッドに投げる。

可愛くなっても彼は振り向いてくれない。
痩せても彼は何も言わない。
当分会っていない彼のために、とおしゃれを頑張っても、メイクを頑張っても、ダイエットを真剣に取り組んでも。

彼は私を見てくれることはないだろうな。

知ってる。
知ってて、私は好きなんだ。
ずっと好きなんだ。

彼が私の連絡に反応してくれるだけで、
私の好きに興味を持ってくれるだけで、
いつになるかわからない予定を立てているだけで、
こんなにも幸せなんだもん。

理想じゃない、運命じゃない、それでも好き。

私の言葉にしか振り向いてくれない貴方が
『私』に振り向いてくれる事があったらいいな。

それまで、ちょっと頑張ってみることにしよう。
だから、さっき放り投げた携帯を拾って、
ちょっと期待して記事を読んでみることにした。

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何書いとねん自分…寝ます…