それでも私は酢豚にパイナップルを入れたいの

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さかのぼること4年前 婚活パーティー会場で僕は妻の瞳と出会った 会場内でも一際目立つ美人の瞳はこんな冴えない僕にも優しく接してくれた。 心の底から思った。この人と結婚したいと 婚活パーティー8回目にて そう思える人と出会った 僕は不器用なりにアプローチをしまくった 特技のオットセイのモノマネをしたり リンボーダンスの歴史のうんちくを披露したり 周りからは 「おいおいやばい奴が今回もいるぞ?」と 指を刺されて笑いの的になった だが僕はそんな事知ったこっちゃない 何故なら瞳さんが笑ってくれているのだから 誰かのために必死になるなんて僕は初めてで ただ瞳さんの笑顔のために無我夢中だった そして瞳さんは言った ふふふ。オットセイはもう少しビブラートが 聴いてますよ?良かったら今度水族館に行きませんか?確認しましょ 婚活会場の参加者全て 開いた口が塞がらなかったらしい あたしね!今まで近づいてくる男の人って 皆んな花束持ってたり高級なレストランばかり で…夜しか食事に誘ってくれなかったの そう言いながら僕の隣で 行きつけのラーメン屋のチャーシューラーメン ネギ増し増しを豪快にすする瞳さん 僕は完全に瞳さんの虜になっていた その後は名もなき公園でオットセイの モノマネのレクチャーをしてくれた 結構なスパルタ指導に僕のM心は調教され 理想的な主従関係になる それから僕たちはなんの 障害も無く結婚に辿り着く しかし結婚3年目にして まさかのカミングアウトをしてこられた
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