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一人と一匹がワサビの到着を待っていると、ようやく店主が戻ってきた。
「なんやタクさんいつもより早ようきはったな」そうは言ったものの店主は無残にも切れ切れになったオコゼに唖然とした表情を浮かべた。
奥からお菊も出てきて、酌をする。タクヤがオコゼとの一件をああだこうだと話をしているうちに「あいよ。成仏のお通しだ」と、店主がそう言ってカウンターに置いたのは、あのオコゼの頭がこんがりと素揚げされた姿だった。
(了)
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