あゝ無情

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学食に着き、周りに人の少ないテーブルに着いた瞬間 僕は一宮になぜ野村を裏切るようなことを・・・と詰め寄った。 そうすると一宮は 「裏切り?誰が誰を?僕は今まで誰も裏切ったことなどない」 いくら三田君でも失礼だなーと苦笑を浮かべた。その顔さえ綺麗すぎて二の句が継げなかったのだが、気を取り直して 「許嫁の番の約束を野村としているんだろう? とぼける気か?僕は君の貞操を守るために、今まで君の傍にいるように野村から頼まれていたんだ」 と勢いよくに捲し立てた。 それを聞いた一宮は鳥のさえずりような笑い声で 「君って人は、そんなんだから変な男に付け込まれるんだ。 "野村と僕"は番の約束なんてしていない」と。 そしてはっきりとした口調で 「むしろ見張られていたのはどっちなんだろねー   早く真相に気づいたほうがいいかもよ・・・・」 あまりの事に、なにを言っていいのかも、 そして野村がなぜそんな嘘を自分についたのかも、 色々なことがあたまを駆け巡り、一宮が "僕は、次の授業があるからもういくね"と足早に去っていくところを、ただ呆然と見ていた。 翌日、大学の教室にはいつもと変わらない様子の の野村が座っていた。彼の周りには大学に入るとすぐに取り巻きができ、男女問わずに派手な容貌をしたものが多く、人目をひいていた。 一宮が隣に居たときは考えられないくらいの騒々しさだ。 しかしそれに怖じ気づいている場合ではない。 ことの真相を彼に聞かなければ。 「野村君、ちょっといいかな?話があるんだ。」 周りの取り巻きの怪訝な顔をもろともせず、 本人は、意外と素直に立ち上がりそして、一言 「ずいぶん、遅かったね。待ちくたびれたよ」 とウッソリと笑った。 とりあえず人目のつかないところに野村を連れ出し、 今までに起きた事の顛末と、もし今までのことがほんとなら、なぜそんな嘘をついたのか?を問いただした そしたら、野村は少しも悪びれたようすもなく 「全て本当のことだよ。一宮とは番の約束なんてしてないし、これからもしない。」 なんで嘘を、ついたかって? そもそも、一宮がなんでお前に中学のとき話しかけたと思ってる? 俺がそう指示したからだよ。 あの時からずっとお前は俺のもんだろ そう言われた瞬間意識が遠退き、ブラックアウト。 そのあとのことは...........
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