act.1

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店を出て、歩いてすぐ側にある改札にICカードをかざす。電車を待つ間何気なくスマホをチェックすると、中学時代の友達から久しぶりにメッセージが来てることに気づいた。 数人いた友達の中でも、特に仲のよかった五木(イツキ)小夜(サヨ)、通称いっちゃん。 今でも、休みが会えば二人で遊びに行ったりしてるくらいの仲よし。 昔から正義感の強かった私に何かと苦言を呈しながらも、ずっと側にいてくれた大好きな友達だ。 いっちゃんは私と違って、空気の読める人気者。 私が誰からもいじめられなかったのは、いっちゃんのおかげも大いにあると思ってる。 メッセージを開けば、それは同窓会への誘い。よく目を通す前に、ちょうどいいタイミングでいっちゃんから電話がかかってきた。 「もしもし周?もう仕事終わった?」 「うん、今終わったとこ」 「お疲れ」 「いっちゃんも」 いっちゃんは、歯科助手だ。彼女の勤める歯科医院には行ったことないけど、きっとあの清潔感ある制服が似合ってるだろうなぁ。 「メッセージ、見た?」 「まだちゃんとは見てない」 「同窓会って大袈裟なもんでもないんだけど、中三の時のクラスで再来週集まろうかって話が出てさ。周、来るよね?」 「シフトによるけど、途中参加でもいいなら行きたいかな」 「よし決まり。まぁ、直前でもいいから都合悪くなったら言ってよ」 「うん、ありがといっちゃん」 「また詳しいこと決まったらメッセージ送るわ」 「幹事頑張れ」 「サンキュー」 電話を切ってすぐ、丁度来た電車に乗り込む。 窓際に立って車窓を眺めながら、色んなことをぼんやり考えた。 同窓会かぁ。 ちょっと、楽しみだな。
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