act.2

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あの同窓会の日。何年かぶりに浦和君に会って、遠い昔の苦い思い出が蘇った。 だけど、ただそれだけ。連絡先もお互いに知らないし、あの時聞こうって頭も働かなかった。 …ううん。きっと、繋がらない方がいい。 浦和君がどういう意味であんな風に言ったのかは分かんないけど、久しぶりに私の顔を見て罪悪感みたいなものが生まれたのかも。 あの頃はごめんね、みたいな。 だとしたら、謝る必要なんかないのに。 浦和君は、別に悪くない。ただ私が、お節介だっただけだ。 「中川さーん?」 「わ、神宮さん!」 まだ居たんですか! 「そんなこと言わないでよー」 「何も言ってませんよ!」 暇なのかこの人は! 「そろそろ戻りまーす」 「はい、お疲れ様です」 一応、お世話になってる人だから。商品整理の手を止めて、ペコリと会釈した。 「また何かあったら、いつでも呼んで」 「はい、その時はまた交番の方に連絡させてもらいます」 「いやそうじゃなくて」 「え?」 ポカンとした顔をしてるであろう私を見て、神宮さんは楽しそうに笑う。 「また、来ます」 「はい」 制帽をクイッと持ち上げて、爽やかな笑顔を見せて神宮さんは去っていった。 後ろ姿を見つめながら、ボーッと考える。 お巡りさんの制服って、何かいいよね。 神宮さんは男の人の中でそこまで背が高いってわけじゃないんだろうけど、でも私とは全然違う。 可愛い系統の顔してるけど頼りになるし、仕事してる時の真面目な顔つきは、カッコいいなって思う。 そういえば浦和君も、警察官の制服着てるんだよね… 瞬間、ボワンと脳内に制服姿の浦和君が浮かんで、恥ずかしくなって慌ててパッパッて手で払った。
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