act.2

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「もしもし、いっちゃん?」 仕事が終わってスマホを見ると、いっちゃんからの着信。かけ直すと、彼女はすぐに出てくれた。 「あ、周?」 「どしたの?」 「あのさ、この間同窓会した男子達の何人かが、ウチらとまた集まりたいらしくて」 「ウチら?」 「周とか、私とか、あとはミカとか」 「ふぅん?そうなんだ」 「浦和君も、いるらしいけど」 「…」 「周はやめとく?」 いつも明るいいっちゃんの、気遣うような声色。彼女は私が昔、浦和君のことを苦手だったって思ってる。 「ごめん、今こんなこと言うのも何かあれなんだけどさ」 「うん?」 「浦和が、周に会いたいって言ったらしいんだよね」 「浦和君が」 「周…」 ギュッと目を瞑って、それからゆっくりと開く。 「ごめんいっちゃん、私やめとく」 「…そっか」 「断り役なんてさせてごめんね。私抜きで、楽しんできて」 「何謝ってんの、周は悪くないじゃん」 いつもの明るい声に戻してくれたいっちゃんのおかげで、いくらか気分が落ち着いた。 いっちゃんとの電話が終わって、しばらく動く気になれなくて。 また、ゆっくり目を閉じる。 ーーもう、来るな 私達はきっともう、会わない方がいいんだ。
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