act.2

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私は、昔からこうだ。頭より先に、体が動いてしまう。 よく怪我をしてた私に、母は「お父さんが取り憑いてたりしてね」なんて笑いながら言ってたけど。 昔より歳を重ねた今なら分かる。あの母の笑顔の中には、どことなく哀しげな表情も混じっていたということに。 大切な人を傷つけても、例え誰にも感謝されなくても、私は。 後悔しないように、生きていきたい。 自己満足だとしても、困っている人がいれば助けたいと思ってしまう。 きっと一生、私はなんだろう。 「…あれ」 無意識に捻った足首をさすりながら物思いに耽っていると、不意にインターホンが鳴った。 モニターを確認した途端、痛みなんて忘れて。 私は一目散に玄関へと走った。 「う、浦和君っ」 「…っす」 ちょっとバツが悪そうに頬を掻く浦和君の髪の毛、ちょっと変な癖がついてる。 あ、そっか。勤務中は帽子被ってるからか。 何か、可愛い。な。 「…」 「…」 「あ、ご、ごめんね!急に黙ったりして。ちょっとビックリしちゃって」 変なこと考えてたのがバレないようにしたくて、いつもよりかなり早口になってしまった。 「いや、ごめん。こんな時間に。あの事故の処理が終わんなくて」 「怪我した人達は、大丈夫だったの?」 「幸い、死者も重傷者もいなかった。運転手も、軽い骨折で済んだって」 「そっ、か…よかった」 ふぅーっ、っと長めの溜息が漏れる。巻き込まれた人達は気の毒だったけど、命が助かってホントによかった。 詳細とかは、あんまり聞かない方がいいよね。守秘義務があるし。 「そういえば、どうしてここ…」 「同級生から、聞いて」 「あ、そうなんだ?」 「悪い、勝手に」 浦和君の表情が少しだけ歪んで、同時に彼の右手にあるビニール袋がカサッと音を立てた。

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