01 謎の発明①『爆発目覚まし』

2/8
前へ
/310ページ
次へ
「う、ん?」  部屋に起きた爆発(ばくはつ)は一瞬だったのだろう。今は暗い部屋にもどっていた。 「ああっ!? あんな音立てて! 怒られない!?」  ハッとして窓へ駆けより外を伺う。  ……だが、隣近所の明かりはつかない。ざわざわとした感じもしない。  どうやらあの激しい音は、周囲へは響かなかったように思える。 「ゆめ?」  そんな訳がない!  強烈な爆発が私へ起床を()いたのだ!!  あの激しい音と光がただの夢であるというのなら、私は違う病院を調べなきゃならない。  そこで、ようやく気が付いた。 「そうだ! 目覚まし!! あの目覚ましか!?」  急いで机へ駆け寄る!  昨日確かにそこへと置いた目覚ましは、しかし、その存在が消え去っていた。爆心地であるはずなのに、焦げ跡や近くの物たちへの影響はない。  そして、最も変なのは、周りへの影響が皆無であり、目覚ましだけが蒸発(じょうはつ)しているのだ。 「ああ……」
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加