01 謎の発明①『爆発目覚まし』

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01 謎の発明①『爆発目覚まし』

 ついに、爆発(ばくはつ)した。  私の目覚まし時計が、である。  その瞬間まで私は良い夢を見ていたのだ!  しかし、爆音と裂光が部屋を染め上げ、重厚な振動が部屋に響き、夢の世界を引き裂き揺らす! 「うっわあぁ!?」  驚いた私はベッドから飛び落ちて、なんとか逃げようともがく!  そのまま、床を転がり何かをいろいろ蹴飛ばしたり、跳ね飛ばしたりの感覚が手足に伝わってきた。  もがいて、蠢いて、ごろごろと部屋を転がりうずくまって丸まると、体を守る姿勢を取る。  そして気付いた。 「……あれ?」  おかしくない?  爆発があったのに、痛くも熱くもない。  眩しかった光は一瞬だ。その眩しさに、私は目を(つむ)っていたのだ! しかし、現在光は感じない。  私はおそるおそる目を開く。  暗い、闇の中である。  体をさすってみても何ともないようだ。 「無事!? というか、無傷!? なんで!? いや、何があったの!?」  動悸(どうき)を打ってる心臓が気持ち悪い。  しかし、からだを動かすことは出来そうだ。少し考えながら立ち上がる。
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