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「私の母はシングルマザーで、その母も私が10歳の時に亡くなりました。それからは祖母と暮らしていて……その祖母も去年亡くなったんです 」
「それは……」
言葉を探すあなたの声を聞いてなぜか安心する。
「毎日、真っ暗な部屋に帰って来るのが寂しくて……三嶋さんからのメッセージとか電話が楽しみになっていました。今の心の支えだったんです」
すんなりとその寂しさを口にできた。
「……三嶋さん」
「はい」
「一緒に暮らしませんか?僕たち……」
珍しくあなたの声が震えていない。
「まだ出会って半年で……焦っていると言われるかもしれません。でも……あなたとなら共に生きていける気がするんです。あ、でも不安……ですよね」
途中まで珍しく決まっていたのに……あなたらしい。
「こんなまともに目も合わせられない奴……嫌ですか?」
キョドり始めたあなたの声を聞いて笑いを堪えられなくなった。
「え?……三嶋さん?」
戸惑うようなあなたがかわいすぎる。
「一緒に暮らしてくれるんですか?面白味ないですよ?私……」
「そんなの僕の方が……。いえ、努力します。……結婚してくれませんか?」
「……結婚?」
「あ、いや……えっと……本気なんで……中途半端にしたくないというか……その……ダメ……ですか?」
本当……あなたってたまに大胆というか何というか……。
「……家族にしてくれるんですか?」
「家族になって欲しいんです」
するりと私の1番欲しい言葉をくれた。
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