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 芝生が生えている広場を割くように歩道が駅の方まで続いている。桜がまだ見頃なこともあってか、たくさんの親子連れがレジャーシートを広げてくつろいでいた。 「あ、ふうちゃんのあたまに、はなびら、のってるよ。かわいいね」  小さな男の子がよちよち歩く女の子の頭を見てニコニコと父親に話しかけている。誰がどう見てもあの男の子の父親だとわかる。ウェーブがかった髪型や爽やかな整った顔がそっくりだ。 「本当だ。可愛いねぇ。遥斗くん、サッカーはもういいの? お父さんと遊びたいんじゃなかったっけ?」 「いいの。ふうちゃんと、おはなつみ、する」 「そう? よかったね、風花ちゃん。お兄ちゃんが遊んでくれて。風花ちゃんは遥斗くんのこと大好きなんだもんね」 「んー」  小さい女の子はまだ話ができないのか、相槌を打った感じもするが、夢中でたんぽぽを摘んでいる。  俺と同じくらいの年齢か、あるいは少し若いのか。穏やかな笑みを浮かべながら子供たちを見守っている父親。 「ご飯にしましょうか、涼吾さん。はるくんもふうちゃんも。お腹すいたでしょ?」  少し離れたレジャーシートに座りお弁当を取り出している母親。ニコニコと手を振っている。
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