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「あぁ、琴音ちゃん、俺もやるよ。ごめんね、任せっきりで」 「いえ、2人と遊んでくれてる方が助かります」  母親も爽やかで柔らかい雰囲気。お似合いの夫婦という感じだ。 「ぼくが、てつだう」  男の子が母親に駆け寄ると「ありがとう。はるくんは本当に優しいね」とクスッと笑った母親。 「風花ちゃん、ご飯だって。お母さんのご飯楽しみだね。お花持ってあっちに行こうか。お兄ちゃんも行っちゃったよ?」  しゃがみ込んで女の子と視線を合わせた父親がニコッと話しかけると、女の子がレジャーシートにいる母親と男の子をじっとみている。 「いく、ごはん」 「うん。いい子。抱っこしてあげる」  軽々と女の子を抱き上げレジャーシートに向かっていった。 「……あの男の子、お父さんにそっくりでしたね。いい家族って感じ」  隣を歩く結衣子がクスッと笑う。 「そうだな」  俺にはあんな風に家族と過ごした記憶がない。それでも父親とそっくりなあの男の子を見て「俺も父親と似てるんだろうな」と思った。大嫌いな父親と血が繋がっている。どこまでいっても親子は親子だ。仮に俺の子供が出来たら、その子供は俺に似ているのだろう。
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