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心配になりながらも食事を終え、すぐに部屋に戻った。先にシャワーを浴びるように言うと「わかりました」とバスルームに向かう。
しばらくシャワーの音が聞こえていたが音がしなくなった。
……遅くないか?
少し待ってみたがバスルームから出くる気配もない。倒れていないか心配になり、バスルームをノックした。
「結衣子? ……大丈夫か? 開けるぞ?」
応答がない。ゆっくりとドアを開けると裸のままタオルを被りうずくまっている。
「っ! 結衣子! どうした? 具合悪いか?」
「っう。……い、おり、さん」
しゃくり上げて泣いていた。
「え……? どうしたんだよ」
「ゃだ。……いな、く、なっちゃ……。ゆ……輪。……い、おり……さ」
何を言っているのか、なんで泣いているのか全くわからない。混乱して頭が真っ白だ。
「結衣子。どうした? 話してみろ」
しゃがんで抱き寄せると俺に抱きつき——。
「指輪、ないの。いおりさん、また居なくなっちゃう! やだ。……もぅ、や」
泣きじゃくっている。
指輪?
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