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こんな幸せ、いつまで続くんだろう。
なぜかぼんやりとそんなことを考えるようになった。あの時……５年前は１ヶ月後に離婚した。
『結衣子さんに離婚届をご記入頂きたく、お持ちいたしました。記入が済んだらこの後提出してきます』
『結衣子さん。早く指輪を外してください』
『時間が解決してくれます。きっと後で気づきますよ。『あぁ、勘違いだったんだな』って。……指輪、外してください』
徐に左手の薬指に嵌めた２つの指輪を包み込む。もうあんな思いはしたくない。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい。庵さん」
暗い気分になっても彼の顔を見ると吹き飛んでいく。余計な事を考えないようにしながら新婚旅行の準備をしたりして日々を過ごしていた。
でも、私の心は気付かぬうちに深部まで蝕まれていた。５年前、彼が目の前から姿を消した時に負った心の傷は思った以上に深かったようだ。
迎えたゴールデンウィーク。
庵さんと２人でロンドン巡りかぁ。どこに行こうかな？
飛行機を降りるまではワクワクしていた。無事にロンドンに着き、見慣れた風景が広がるロンドンの空港。
「ちょっとお手洗いに行ってきますね」
「あぁ、俺、あっちで荷物取っておくよ」
「お願いします」
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