純白を纏う

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(ちか)くん、一緒にご飯食べない?」 いつの間にか周りに集まった女子生徒達は、恥ずかしそうにそう言う。それを見て思わず席を立った。 「ごめん、ご飯買いに行ってくるね」 ニコリと笑えば染まる頬。ついて来ようとする数名の女子生徒を制して教室を出ようとする。 「花月(かつき)〜一緒に昼飯食おーぜ」 出る直前に男子生徒のグループにそう声をかけられた。先程の女子生徒達と同様の返事を返せば少し残念そうにして見送られる。それにただ笑みを返して今度こそ本当に教室を出た。 それから購買に行くまでに何人かに声をかけられる。それに笑みを返しながら目的地に向かった。ざわざわと聞こえる声が少し、耳障りに感じる。 ふと、視線を感じてその視線の先を辿った。 ──そこにはあの時の、男子生徒がいた。
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