純白を纏う

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退屈で、虚しい日々だった。 手にしたものは多く、望めば何でも手に入る。恵まれた環境、整った容姿。叶えられない願いは殆ど無くて、気づけば何も望まなくなった。 " 愛 "なんて言葉を名付けられて、両親から貰った愛情は全く実感の沸かない無機質な物ばかり。いつしか次第に人の温もりに飢えていった。 寄ってくる人は沢山いて、その誰もが俺の上辺を欲しがった。けれどそれでも良かった。人肌に触れればいつしかこの寂しさが消えると思った。誰でもいい、と。そう思っていた。 けれど何度肌を重ねても、誰と肌を重ねても一向に消えない寂しさは積もりに積もって心を黒く染めていく。 自分が初めてDomだと診断された時も、なんの感情も沸かずに、あぁ、そうか。なんて他人事のように思った。それから何度かSubを相手にしたけれど、パートナーになることは一度だってなかった。 黒く染まった心に誰も光を当てられない。ただただ本能を満たすだけのPlayは泣きたくなるほど哀しかった。 愛なんて望まないから、どうか純粋に愛せる心が欲しい。心の底から愛せるような、何も疑わなくてもいいようなそんな人が側にいて欲しかった。純粋な愛情が知りたかった。 今あるもの全て手放しても構わないから、俺だけのSub()を手にしたかった。
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