純白を纏う

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心地良さそうに眠る男子生徒を抱き上げて先程まで自分が寝ていたベッドまで歩いていく。そっとベッドの上へ寝かせてそこから離れようとすればきゅっと左手を握られた。縋るようなその手に導かれてベッドの脇に座る。 ふわふわと、柔らかそうなその髪に触れて撫でる。想像よりも遥かに心地良いその手触りに心臓が疼く。そのまま滑らすように頬へと触れる。気づけば額に口づけをしている自分がいた。 甘やかしたい。どろどろに溶けるほど、甘やかして、甘やかして、そして。 そこまで思ってハッとした。こんな気持ちは初めてだった。どうするべきなのかよくわからなかった。 戸惑う心に、繋いでいた手をもう片方の手で触れてそっと離す。名残惜しくも離れた手には、虚無感が纏わりつくようだった。 音を立てないようにベッドから降りる。男子生徒の寝顔を一目見てそのまま保健室を立ち去った。 抱き締めた腕の心地良さと陽だまりの匂いを思い出して胸の奥が高鳴るのを感じた。
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