純白を纏う

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(ちか)くんだ〜!おはよう」 あれから数日経った。あの男子生徒には会えないまま、時間だけが過ぎた。たった数十分。それだけの時間だったのに、俺の心の殆どを奪って今では少しの喪失感に襲われる。 クラスメイトの挨拶にニコリと笑って返事を返せば全員が全員、同じような反応をする。今までもずっとそうだった。大体皆一緒だ。それに今更なんの感情も沸かない。 窮屈な世界はそれほど嫌という訳ではないけれど、本当に欲しいものはいつも手には入らない。今更どんな反応をされようがたいして心は動かなかった。いつの間にか始まっていた授業に興味もなく窓の外を眺める。頬杖をつきながら眺める景色。その窓に薄く映る自分。冷たい瞳の自分を見て思わず目を伏せた。 ただ、もう一度あの男子生徒に会いたい。 日常を片手間に、そんなことを思った。
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