明日、「Jumpin'・Jack・Flash」の店で

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「JJF」は住宅街から続く、生活道路に面した洋食屋さんだ。駅からはそれなりに距離があるが、いつも地元のお客さんで混んでいる。行列ができる繁盛店というよりは、昼でも、夜でも、何時も誰かしら店内で美味しそうな顔を見せている店だ。  何十年も続いている洋食屋さんで、今の店主で3代目らしい。2代目が若くして事故で亡くなり、当時従業員であった3代目がこの味を引き継いだそうだ。  子供の頃から私はこの洋食屋さんが大好きだった。私の親と亡くなった2代目が知り合いだったという縁で、よく家族で利用させてもらった。私は特にオムライスが大好物でよく注文する。  「JJF」のオムライスは薄焼卵でチキンライスを包む、昔ながらのオムライスだ。  通常バージョンは自家製トマトソースがたっぷり乗ってくる。  そしてスペシャルバージョンは、何と特製ビーフシチューがかけてあるのだ。特製ビーフシチューは「JJF」の看板メニューだ。  美味しくない訳がない。通常バージョンよりも500円高くなるが、この美味しさを1度でも味わったら、差額を払ってしまう。 「JJF」は美味しいだけではない。ホールのスタッフさんの対応と笑顔、下品過ぎない古き良きアメリカ?風の店内。照明、匂い、音、色々なものが混ざって私の大切な場所を作り上げている。
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