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「失恋した」
突然切り出された、「終わりにしよう」という別れの言葉。私に取ってみると正に青天の霹靂。
しかも、私がこの世の中で1番気に入っているレストラン「Jumpin'・Jack・Flash」で食事をしている時に言われたのだ。私はこの「JJF」で食事をする時には、一切マイナスの感情を持ち込まない様にしてきた。
ー美味しい、楽しい、嬉しいー
そんなプラスの想いだけが詰まった場所を、この世界に作りたかったのだ。それなのに私の彼氏、いや元彼氏の健は「JJF」で別れ話をしてきたのだ。きっと悪気は無いはずだ。良い人なのだが、昔からたまに間抜けな事をする人だった。
でも誰よりも好きな人だった。
健とは大学に入ってから、必修のクラスが一緒で、そこで知り合った。
話始めてみたら、共通の話題が多かった。
一緒に映画を見たら、笑うシーンと泣くシーンが一緒だった。
根が単純な私は、そんな事で健を好きになり、付き合い始めた。男の人にしては指先が綺麗で、その綺麗な指と初めて手を繋いだ時は、自分でも顔が赤くなっていくのが分かったぐらいだ。
そんな健から別れ話をされた。付き合って3年間。決して短い時間ではない。積み重ねた時間の分だけ、失う時の喪失感は大きかった。
そして別れの理由が「俺たちこのままでいいのかな?」などと訳のわからない理由だった事も、悲しさに拍車を掛ける。
何よりもこれから「JJF」で食事をする時、きっとこの悲しい気持ちを思い出すであろう事が切なかった。
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