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「それでは、日時のご希望などはありますか」
「こちらはいつでも大丈夫ですので、なるべく早くお願いできればと思います」
私の都合は聞いてくれないんだ。実際、いつだっていいんだけど。
「科目はどうされますか?」
「志保、どうする?」
そこは聞くんだ。さっきのテストの結果を見れば明らかでしょ。
「数学じゃないの」
ついさっき受けた入塾テストの結果は、国語が52点、英語は47点で、どちらも平均点を下回っている。
そして数学は、なんと16点。
さすがの私も、こんなに悪い点数を取ったのは初めてで、バツばっかりの答案を見たときは我ながら驚いた。
「それなら、月曜日の十七時三十分からというのはいかがですか?」
「あっ、もう決められるんですか? その、先生は大丈夫なんでしょうか」
「はい。むしろ、この時間であれば、腕の立つ者が入れますので、ぜひ」
「あぁ、それはどうも、ありがとうございます。志保、よかったね」
そんなこと言われても、会ってみないとどんな先生かわからないし、何も言えないよ。
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