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「先生、嬉しそうだったね」
「うん。……でも、これってプレゼントになるの? 私たちの写真で先生は喜んでくれるのかな」
「何言ってんの? 天下の女子高生だよ? 喜ぶに決まってるじゃん!」
そうなのかな。
いや、それでいいのかな。
先生に対するイメージとして、あんまりよくない気がするんだけど。
「お待たせ。じゃあ、塾をバックに、いいかな」
そう言ってスマホを構えた先生に向かって、私たちはいくつものポーズを作って、先生に写真を撮ってもらった。
私たちはアイドルでもモデルでもないんだから、こんなことしてていいのかなって思わなくもないけど、先生のスマホに私たちが残るのなら、それでいいことにする。
「それ、ホーム画面に設定してね」
「え、いや、それはやめておくよ。ときどき思い出して眺める程度にしとかないと、いつまでも引きずっちゃいそうだし」
先生のこの言葉に、嬉しいようなホッとしたような、でもちょっと残念で寂しいような、そんな気持ちになった。
いや、でも、先生らしいよ。
「連絡先は、聞いちゃダメなんだよね?」
唐突に、梓が言った。
私も気にはなっていたけど、私からその話題に触れることはできなかった。
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