あいさつ、あいさつ。

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あいさつ、あいさつ。

『2021/01/11 20:31  件名:ありがとうございました。  送信者:連城孝子  宛先:菅原一樹  昨日はありがとうございました、菅原さん。  とても恥ずかしかったけれど、思い切ってメールをさせていただきます。メールアドレスは、西田課長から聴きました。クラシックをよく御聞きになるということなのでしょうか?お洒落で素敵なアドレスですね。  昨日、もし菅原さんが助けてくれたなかったら、私はいつまでも先輩に怒鳴られ続けたかもしれません。正直、あまりにも怖くて途中から内容を全然覚えていないのです。……わかっています、悪いのがミスをした私だってことは。それでも、もう少し声のトーンを落とすとか、物の言い方は考えて欲しいと思ってしまうんです。  誰だって、自分の存在価値を否定されるような言葉を言われたら傷つきます。お前の代わりは誰でもできるんだとか、そんなに文句があるならやめてもらっても全然かまわないとか、どうせやめても家族と同居してるんだから金には困ってないだろとか。  まだ若いし、確かに一人暮らしをしていないのは確かだけど、それでも私なりに自立しようと一生懸命仕事をしてきたのに、何でそんなことまで言われなくちゃいけないのかわかりません。いくら鈍臭いからって、言っていいことと悪いことはあると思うのです。  ごめんなさい、菅原さんに愚痴ってしまって。  助けてくれて、ありがとうございました。菅原さんの仕事ぶりを見習って、私も頑張ろうと思います。  また、メールさせていただいてもいいですか?お返事も、できれば返してくれたら嬉しいです』
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