愛してたのに。

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「わかった。いいよ」  彼はためらいもなくスマートフォンの画面を見せてきた。目に飛び込んできたのは衝撃的な写真だった。  フローリングの上、うつ伏せで倒れる髪の長い人物。彼が指を滑らせるごとに写真が切り替わる。どれも同じような写真だった。血溜まりの中に人間が浮いている。あまりにも鮮明な写真。私は胃から込みあげるものを、なんとか押し戻した。 「こういう写真が、好きなの?」  私が出した声は震えていて、どうやら恐怖しているようだった。自分の感情の判別もつかないほど、私は頭の回転が鈍っていた。 「そうだよ」 「その……あなたが、撮ったわけじゃないよね? あなたは画像を収集しただけよね?」  そうであっても気持ち悪い。でもせめてそれだけであってほしい。頭の片隅で、そんなことを考えている自分に気づく。  彼がニヤリと笑う。 「全部僕がやったと言ったら?」
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