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「お好み焼きパーティーをしよう」
真昼がそう言いだしたのは次の家政婦バイトの日のことだった。
てっきり「(三兄弟で楽しく)お好み焼きパーティーをしよう」という意味だと思っていたが、「(あたしに)お好み焼き(を焼かせる)パーティーをしよう」という意味だったようだ。
どうやらこの三人、ホットプレートでお好み焼きを作ったことがないらしかった。
ダイニングテーブルの向かいに横並びに座り、三兄弟は神妙な面持ちでホットプレートを見つめている。
あたしは三、四分前にホットプレートに敷いた生地の乾き具合を確かめ、両側からへらを差しこんだ。すうっと細く息を吸いこむと、三人の肩に力が入るのがわかる。
勢いをつけてへらを持ち上げ、生地を手前に向けてひっくり返す。お好み焼きは崩れることも具材が散らばることもなくきれいに返った。
おいしそうなきつね色。大成功だ。
「おお~!」
目の前でマジシャンが手品を成功させたかのように、三人があちこちの角度からのぞきこみながら拍手した。
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