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まるで脳みそ全体が百ワットの電球で照らされているかのようなお気楽思考にあたしはズッコケた。
どう考えてもあたしが女子三人組に足をひっかけられて転ばされているところだったじゃないか。
しかし、それを口にしようとしたところで女子三人組があたしと真昼の間に割りこんできた。
「はい、そうなんですぅ~。高橋さんってば本当にどんくさくてぇ~」
「真昼さま、今日部活オフなんですよね? カラオケにでも行きませんか?」
「悪い。俺らこれから劇の練習があるから」
真昼があたしの首に腕をまわした。
おそらく親しげに肩を抱きたかったのだろうが、身長差と筋肉のついた腕のせいで首がしまる。これではまるでヘッドロックだ。「やらないって言ったでしょ」という反論は声にならなかった。
あたしはそのままずるずると真昼に引きずられていく。
「頑張ってくださいね、真昼さまっ」
去り際にそんな声が聞こえてきた。あいつらのチョーシのよさもここまでくるとあっぱれだ。
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