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犯人探しは難航した。
嫌がらせをされるのが決まって朝だということはこれまでの傾向からわかっている。
でも犯人は靴箱から上履きを隠したり、教室のロッカーを水浸しにしたり、校門前の掲示板に根も葉もない噂話を書いたりと神出鬼没で、なかなかその尻尾が掴めない。
見えない相手からの悪意には心底腹が立つが、夕仁くんとあやちゃんがたびたび慰めてくれたからどうにか耐えられた。
ただ、コーヒーショップで会ったあの土曜日から、真昼とはうまく話せずにいる。
春高バレーの東京代表決定戦は文化祭の翌日の日曜日にあるらしい。だからあたしは最低でも文化祭までは真昼に嫌がらせのことを話さないつもりでいた。
ただ、嗅覚のするどい真昼はあたしが隠し事をしているということに勘づいているらしく、時折突っ込んだ質問をしてくるのだ。あたしはそれが嫌で真昼のことを避けていた。
文化祭四日前の火曜日の夜、いつも通りあたしが真鍋家でキッチン掃除をこなしていると、玄関のドアを勢いよく開ける音がした。
旭さんはリビングのソファで棋譜を並べているし、夕仁くんは夜遅くまで芝居の稽古だと言っていた。つまり帰ってきたのは真昼だ。
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