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昇降口の端っこに置かれた大型の観葉植物の陰にしゃがみこみ、靴箱をうかがう。
絶対に犯人を見つけて一発ぶん殴ってやる。そうでないと気がすまない。
十一月の空気は冷たく、ほてった頬もはやる気持ちも心地よく冷やしていく。そんな中でふと頭に浮かんだのは、こんなことをしてどうするのだろうという妙に冷静な考えだった。
落ちていた観葉植物の葉をちぎりながら考える。
犯人を特定して、一発ぶん殴って、真昼が頼りにならないから言わなかったわけではないと誤解をとくつもりだった。
でも真昼の誤解をといてどうするのだろう。あたしは真昼のことなんか好きでもなんでもないのに、そんなに真昼と仲直りしたいのだろうか。仲直りしてどうしたいのだろうか。
ハッと我に返る。小さくちぎりすぎてほとんど粉になった葉っぱが床にぼろぼろと散らばっていた。掃除が面倒だ。
ちりとりを取りに行こうと立ち上がった、その時だった。
デーデーッ、デデッデデーッ、デーデーデーデデーッ!
暴れん坊将軍の殺陣のテーマが流れ出し、女子生徒の小さな悲鳴が聞こえてきた。あたしは慌てて自分の靴箱に駆けつけた。
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