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第3ラウンド VS真昼
クリスマスに浮かれる全国のリア充ポンチども、耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ!
何をするのも勝手だが、そんな風に楽しく過ごせるのはあたしたちみたいな楽しまない人間がいるからだってことを忘れるな。
ケーキ屋の前の道路で震えるミニスカサンタがいるから家族にサプライズのケーキを買えるわけだし、駅前でティッシュを配るバイトがいるから彼女の嬉し涙をふけるのだし、片付ける人間が他にいるからこれでもかってほどツリーを飾りつける気になるのだ。
ちなみに全部あたしのアルバイト体験談であり、最後の項目に至っては現在進行形である。
クリスマスのあと、あたしは真鍋家でツリーの片付けに奮闘していた。
あたしがいつものように真鍋家のリビングに入ると、真っ先に立派なツリーが目に入った。しかしそのまわりはひどい有様。オーナメントがうまく外せず乱暴に引っ張ったのかあちこちにツリーの葉っぱが散らばっていて、LEDライトは床の上で知恵の輪のようにこんがらがっていた。
当の三兄弟はというと、片付けを諦めてダイニングテーブルでUNOに興じていた。
そして今に至る。
まあ、数日前に飾りつけをしている旭さんを見た時点でこうなるだろうとは思ってましたよ。
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