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一際背の高い彼が代表して話し始めた。
『高橋さん、真鍋、いったいどうしちゃったんだよ』
「どうしちゃったの?」
『バレーボールに親でも殺されたんじゃないかってくらいの勢いでスパイク打ってるんだ。そのくせバレー以外はへにゃへにゃで、牛乳こぼしたりタオル食べようとしたりしてる』
「部活中はちゃんとやってるならいいじゃん」
『よくない! ……俺今まで、すごくバレーがうまい真鍋のこと、どこか違う星の人間みたいに思ってたんだ。でも高橋さんと話してる真鍋を見て、案外普通じゃんって思った。それがまた異星人に逆戻りだよ。あれじゃ話しかけられない。どうにかしてくれ』
「どうにもならないっつーの」
あたしは爪と画面がごちんと鳴るくらい勢いよく通話終了ボタンを押した。
こんな感じで朝から真昼関連の報告ばかりあたしに寄せられている。たいていは「真鍋がおかしいからどうにかしてほしい」というクレームだ。
あたしは修理屋さんでもカスタマーセンターでもないんだっつーの。
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