第3ラウンド VS真昼

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「でも手紙にはけじめって書いてありました」  旭さんと夕仁くんが顔を見合わせる。 「待ってください、ピィ先輩。真昼兄さんがけじめなんていう言葉を知ってると思いますか?」 「確かにそうかも。でも手紙は二枚入ってて、一枚目には『応援にきてほしい』、二枚目には『じめだ』とだけ書かれてたの。『けじめだ』ってことだと思ったんだけど」  旭さんが走って二階に上がり、数分後、一枚の紙を持って戻ってきた。 「あいつ、ピィちゃん宛の手紙の二枚目を入れ忘れてたみたいだ!」  旭さんが手紙を差し出してくる。 『長期戦だって言っただろ。絶対にベスト4に残って、俺をフッた発言、撤回させてやる。俺はおおま』  じめだ。 「俺は大真面目だ、ってわけね」  あたしは頭を抱えた。こんなところでまで真昼のボケに振り回されると思っていなかったからだ。 「ピィちゃん、真昼は最初からずっとピィちゃんのことしか見てないよ。まだ好きなら応援に行ってあげなよ」 「こらふたりとも。余計なこと言うんじゃないっての」  あたしたちはいっせいに声のしたほうに視線をやった。いつの間に出てきたのか、リビングのドアにもたれてお母様が腕組みして立っていた。
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