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「あたし、解雇だよ。気づいたらカッとなってお母様に歯向かってここまで来てて……」
「ピィ子らしいな」
「真昼はもうあたしのことなんか諦めたんだと思ってた」
「勝手な想像で俺の気持ちを見失ったりするな。俺様の辞書に『諦める』なんて言葉はない」
「フられたショックで牛乳こぼしてたくせに」
「なんで知ってるんだよ」
あたしはすんっと鼻をすする。
「心にもないようなこと言ってフッたりしてごめん。あたしやっぱり真昼が好き。真昼が許してくれるならこの前のは撤回したいんだけど」
「いいよ。全部許す。俺は好きな人に特別優しくできる男だからな」
真昼がふっと笑い、あたしを抱きしめる腕に力をこめた。
「俺、インコのピィを死なせたあの日から、好きなものを壊さずにいる方法がずっとわからなかった。今も完璧にわかったとは言えない。けど……」
「けど?」
「好きだよ、ことり。俺の百パーセントで大切にするから」
(第3ラウンド VS真昼 LOSE!!)
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