第1ラウンド VS旭

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第1ラウンド VS旭

 真鍋家で働くうちに、少しずつ三兄弟のことがわかってきた。  まず、三人は家事ができない。できないというのは「うまくできない」とか「時間がかかる」というレベルの話ではない。むしろやらないほうがマシなくらいだ。  前の家政婦が辞めてから、否、辞めさせられてから二週間でひどいゴミ屋敷になっていたし、この前真昼が洗濯機を爆破したし(食洗機もロボット掃除機もこの前壊したばかりらしい)、三兄弟のご両親が家政婦を雇おうという気になったのもわかる。あの三人に日常的に家事をやらせていたら、近い将来、家がなくなることは確実だ。  もちろん膨大な時間と手間暇をかけて教えこめば人並みにできるようになるかもしれない。  でも、三兄弟にはその時間がなかった。旭さんは次の対局に向けての将棋の研究、真昼はバレー部の練習、夕仁くんはお仕事や芝居の稽古で忙しいからだ。
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