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それから夏休みに入ると、三兄弟と顔を合わせる機会が格段に減った。
旭さんはずっと部屋にこもって将棋の勉強をしているし、真昼は朝早くから夜遅くまで一日中バレー部の練習で学校におり、夕仁くんも稽古とかオーディションとかで留守がちなのだ。
三兄弟が絡んでこないというだけであたしの毎日は一気に平穏なものとなった。
ここ最近あたしのまわりがドタバタしていたのは真鍋三兄弟(特に真昼)のせいで、彼らがいなくなればアルバイトを掛け持ちして寝不足の目をこするごく普通の勤労生活が続くだけだ。
これが正しい高橋ことりの人生ってもんだ。
学園の王子様であるイケメン三兄弟に交際を迫られたり、そのせいで女子たちから恨まれたりなんていう少女漫画の主人公みたいな状況は似合わない。はっきり言って、あたしはお金にしか興味がないのだから。
このまま夏休みがあけたら元の高校生活に戻っていたりして。
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