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「すご……」
思わずそうつぶやいていた。隣にいたあやちゃんが得意げに笑う。
「そうだよ。真昼くんってすごいんだから!」
その後は相手高校が連続で得点し、向こうが何点かリードするかたちで試合は進んでいった。
うちの高校も真昼がスパイクをたくさん打っているものの、トスのミスがあったり相手チームの人がうまく拾ったりでなかなか得点には繋がらない。
一セット目は相手高校がとり、その後コートを入れ替えて二セット目が始まった。
あやちゃんの解説によると、三セットマッチだからこのセットを落とすと負けなのだという。しかし調子づいてきた向こうのチームは次々に得点を入れ、点差は開いていくばかりだ。
応援団の声がだんだん小さくなっていくのがわかった。
いよいよあと数点とられたら負けてしまうところまできた。相手高校にサーブ権がうつり、一番のユニフォームをつけた体格のいい人がエンドラインの後ろ側に立つ。相手チームの人が味方を鼓舞するように何か叫んでいる。
一番さんが腕を振り抜くと、剛速球がうちの高校の選手の腕を弾き飛ばした。
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