第1ラウンド VS旭

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 再び相手高校のサーブだ。ボールは先ほどと同じ人めがけて飛んでいき、再び大きく跳ね返って後ろに飛んでいく。また一点、相手高校に入る。  よく見たら、狙われているその人だけユニフォームの色が違っていた。  それにしても、どうしてあの人ばかり狙っているのだろう。まさかひとりだけユニフォームの色が違うから目印にしているというわけではないだろうけれど。 「リベロの先輩、狙われちゃってるみたいだね」 「リベロってあのユニフォーム違う人?」 「そう。守備専門のポジションなんだよ」  だとしたらあの人を狙うというのは少しおかしい気がする。守備専門の人を狙ったら上手に拾われてしまうのではないだろうか。 「あの先輩、最近調子が上がらないみたいで」  あたしの疑問を読み取ったのか、あやちゃんが補足してくれた。 「朝練より早くにきて自主練してるところを何度も見たことあるんだ。だから頑張ってほしいな。だって、こんな大事な大会で実力発揮できないなんて悔しいよ」  しかし、あやちゃんの祈りも虚しく彼のミスによって四点連続でとられた。相手高校がマッチポイントを迎えたときには十点も差が開いていた。
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