3万円とそれ相応の選択

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 それによく考えれば、ご祝儀を3人分包まなければならない。  痛い。  あまりにも痛い。  1人3万円としても、計9万円。  反吐が出る。  はたして奴等に9万円分の価値があるのだろうか。  僕を孤独にし、孤独にしたにも関わらず謝罪も無しに、むしろ上から見下す卑劣な輩どもに、何故9万円もの大金を渡さねばならないのか、僕には理解できない。  結婚する際は、もっと謙虚に伝えるべきだ。『孤独にさせてしまい申し訳ないのですが、結婚することになりました、ご祝儀は慰謝料と相殺していただければ助かります』くらいであれば、僕も認めなくはない。  しかし奴等にはそんな姿勢は皆無だった。  全員、例外無く浮かれていた。  高圧的と言ってもいい。  僕は絶対に許さない。  とは言え、僕が如何(いか)に反対しようとも、彼等は気にせず結婚するのだろう。それこそ『俺はどっちでもいいんだけど、嫁さんがさぁ……』とか言って被害者ぶるんだ。ふざけるな。結婚は両者の合意のもとで執り行われるんだ。その時点でお前も同意してんだよ。というより、どうせお前から結婚を迫ったんだろう? ふざけんなよ。  つまり、もはや奴等を引き戻すことは出来ない。  となると、僕は奴等に見下されて生きていくことになり、1人取り残される。ご祝儀も払わねばならない。  なんとかせねばならない。  どうしたものかと暫く考えた結果、結論が出た。  ――僕も結婚すればいい。
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