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草食系の王子様?
「ん…。」
いつものように寝返りを打つ。
スプリングの軋む音がしない。
身体に痛みも感じない。
家のベッド、こんなに寝心地が良かったっけ?
違和感から、私はそっと重い瞼を開けた。
「どこ?
ここ…?」
ぼんやりと視界に入ったのは、黒いテーブルとテレビ。
閉まっているカーテンはグレー。
お洒落な間接照明が優しく部屋を照らす。
知らない部屋に、身体が強張るのが分かる。
眠気なんて一気に吹き飛んだ。
恐る恐るベッドから下りる。
どうやら、ホテルではないみたい。
じゃあ、誰かの家って事?
慌てて自分を確認する。
ちゃんと服を着ていた事に安堵の息が漏れた。
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