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瑠泉と瑠風は問題が解決したから、と大学を辞めようとしたのを母に怒られて通信制に切り替え、僕はそのまま通うはずだったけどそれが出来なくなって、やっぱり通信に変えた。
住んでいた場所も引き払い、バイトもすべて辞めた。と言うのも二人の猛反対をくらい、そんなに働きたかったら付き人をやれ、と僕のバイトは二人の付き人一本になり、住まいも二人のマンションになった。まあ夫夫で番なのだから一緒に住むのは当たり前なのだけど、あの二人は今をときめくアイドルデュオ。世間様に知られたら大騒動になってしまう。事務所的にも実はNGだったのを既成事実と事後承諾によりゴリ押しし、それまでの稼ぎで違約金を払えるだけのお金を持っていた二人にすぐに辞められては困ると、渋々OKが出た。
そこまでして承諾を得たけど、次の契約更新はしないそうだ。二人で個人事務所を作るんだって。
そして僕は、事務所を無理やり説得してまで一緒に住んだマンションを出て、今は実家に帰っている。
「ギリギリ間に合ってよかったわね」
実家のリビングでテレビを見ながら母がそう言うと、僕の前に温かい麦茶を置いた。その麦茶を飲みながら僕もテレビを見ると、そこではキラキラの笑顔で二人が歌っている。
何だかんだと病院側との話し合いや、戸籍の修正に時間がかかり、番届と婚姻届が出されたのはつい先日のことだった。
晴れの日に無事役所に届けを出し、家族でささやかなパーティを開いて祝ってもらった。
うなじにも無事二個の噛み跡が付いた僕のお腹は今、もう限界まで膨れてぱんぱんだ。もう重いし苦しいしトイレは近いし・・・。
うなじを噛まれたあの日、僕は見事に妊娠した。まあ、あれだけ注がれてしなかったらどれだけすれば妊娠するの?てくらいいっぱい出してもらったから、当たり前といえば当たり前なのだけど、あの二人のすごいところは、ちゃんと二人分種付けをしたところ。つまり、今僕のお腹には双子が宿っているのだ。
これが二卵生だったら、本当に二人のそれぞれの子かもしれない・・・。
なんて思っていたら、またトイレ・・・。
さっき行ったばかりなのに・・・。
立ち上がるのも気合いを入れてどうにかトイレを済ませて戻ると、新しい麦茶が入っていた。
「だめよ。トイレを気にして飲まないのは。ちゃんと水分を取らないと。あと栄養もね。少し痩せすぎよ」
そう言うと麦茶の隣にカステラも置かれた。
もう夕食は済んだのに、ちょっとカステラは重い・・・。
と思いつつ、カステラを少しずつ口に運ぶ。もともと少食だったところにお腹の子供たちに栄養を取られ、確かにちょっ痩せたかも・・・。
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