41

8/15
前へ
/553ページ
次へ
 俺がグリッターって何だって顔したのを読んで説明してくれる。なるほど、そういうのな。 「結構良くて、あれは使える。100円だもんね、ありがたいよ」 「100円だったら、一回分でも」 「全然一回じゃないよ。たくさん使うわけでもないし、しょっちゅうでもないし。1年くらい使えちゃうかも」 「すげぇ!」  すげぇしか言ってねぇな俺。でもすげぇ。ヴィジュアル系にとって必需品だから、そのランニングコストはいい。 「また見せてあげるよ。カラコンの通販も教えてあげる」 「先輩ありがたいっす!」  俺がふざけてそう言うと、綺悧は笑う。 「もー、夕さんの方が歳上!」  3つ下なんだわ、綺悧。見た感じはもっと下に見えるけど、俺もちょっと若く見られがちだから、見た目の年齢差は変わらんか。 「でも、ベルノの先輩だかんな。ヴィジュアル系のキャリアも年齢イコールだしよ」 「でも、ミュージシャン的には夕さんの方が長いでしょ? ドラム始めてから……」 「16年……か」  小5だったもんな。10歳の時。俺、早生まれだから。 「俺はベルノと同じだもん、7年。半分にもなんないよ」 「じゃ、お互い先輩ってことで」
/553ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加