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 礼華が俺を眺めながら唸る。確かにな。カチッとしてるから、隙がねぇ。 「ちょっと……こう……」  礼華は手を伸ばして、俺が着てるジャケットの前を開く。 「……ん、これ着てもらおう」  インナー類をまとめて置いてるところから礼華がピックアップしたのは、シルバーのネット……ああ、タンクトップなのか。受け取って、ジャケットを脱いでそれを着る。アミに指が引っかかって、地味に着にくい。  そうしてる間に、礼華は大きめの黒い十字架のネックレスを出して来た。チェーンも太めで黒い。 「その、宵闇さんのネックレスは……」  何だよ、礼華もこのネックレスが宵闇のだって知ってんのか。そりゃそうか、俺にくれる前は長いこと使ってたらしいもんな。 「……はずせないか」 「んー、俺、金具がどうなってんのかわかんねぇから、はずせねぇなぁ」 「えっ……だって……」  礼華は俺の胸元に手を伸ばしかけ、あっ、と小さくつぶやく。 「……あ、そう……そうなんだ」  くすくす笑い出した。そうだよ、俺は構造のわからん金具を首の後ろでどうこうできるほど器用じゃねぇ。 「そのまま、使おう。……ね、ほら」
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