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「……うん。衣装も、メイクも、髪型も全部俺がこだわって、曲も選んで、構成も立てて、ギターだって勿論練習した」
一息にそう言うと、ふう、と息をつく。
「俺の全部を、ここに詰め込んだんだ。……こうありたい、って希望も」
「だから、見せるんだな」
華やかにドレスアップして、優雅で煌めくステージング。全力のプレイ。その為にこいつが積み上げてきたのは、毎日のスキンケアや体の為によりすぐった食事なんかのライフスタイル。
そして、ベルノワールそのもの。
今日のこの空間は、礼華が大切にしてるものが全て連なって、繋がって、ここに集められてる。
ここぞはここぞじゃない日の続き。いいこと言ったな、お前。
「うん。いつまでも……逃げてるのは、嫌だなって」
「ああ。お前はこそこそ隠れなきゃなんねぇようなことは何もしてねぇ」
悪さなんかひとつもしてねぇ。ただただ、自分であろうと曲げずに闘ってきた。それだけだ。礼華が礼華であることを、凌駕が礼華であることを、今度はじいちゃんが、律子さんが正面から受け止めねぇとな。
頷いてやると、礼華はくすりと笑う。
「今日の30分でわかってもらえるとは思わないけど」
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