(四)ー3

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(四)ー3

*  鴉天狗たちが帰るとの事なので、三人は大門まで見送りに来た。 「また来る。妖怪どもの件、頼んだぞ」 「了解」  長老は誠閑たちの横を通り過ぎる。誠閑もう一体の鴉天狗は礼儀正しく朱莉たちに一礼した。 「では、私たちはこれで」 「みんなによろしく」 「…長老はああ言いましたが、四課との付き合いも長い。今後ともよろしく」 「分かってるよ」  誠閑の弁明に朱莉は可笑しく思ってしまい、思わず笑いながら返事をした。妖怪なのに頑固な態度はまるで人間のよう。誠閑がこうしてサポートしているのも人間みたいだが、これも組織系がしっかりしている鴉天狗の特徴だろう。  誠閑たちは再び一礼して長老の後ろについた。鴉天狗たちは背中に付いた黒く大きな羽を伸ばし、勢いよく飛び立っていった。  しばらくその姿を眺めた朱莉はくるっと周り、本堂へ歩き出した。 「さ、私たちも戻ろっか」 「はい」 「壱誓。任務調整するからみんなの任務状況調べて」 「分かりました」  鴉天狗の要請を受けてだろう、本格的に妖怪の異常事態について、四課全体で動く事になりそうだ。朱莉が壱誓に頼んだと同時に、華も気を引き締めた。 「うだうだしてる場合じゃなさそうだね」 ーザアアァァ  吹いた風が近くにある林の木の葉を揺らす。この季節には珍しく、生ぬるく気持ち悪い風が頬を掠めた。不穏めいた風に壱誓は眉を顰めた。
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