あとがき

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あとがき

あとがき  ここまでお読みくださりありがとうございます。  お疲れ様でございました。  南雲千輝でございます。  第二話いかがでしたでしょうか。何か皆様の中で響くものがあれば良いなと思います。  さて、今回は和希くんが呪いを受けた経緯と、兄である雅久について結構明るみに出ました。まだ雅久本人は登場していないのですが。  前回でも和希くんが先輩たちとの鍛錬中、ふんわりとですが、先輩たちが呪いの事を知っている感じがありました。また、親戚中に知られている事もあり、祓魔師界隈では和希くんの受けた呪いは有名です。今回のお話の中でもありましたようにレアケースなので、その珍しさ、面白さから広まったのかと。迷惑な話ですね。また親戚だらけの業界ですので、他の家に伝わるのも早い。また、四課には朱莉、月夜、天道、和希と四人も先祖返りがいるので珍しさは薄れますが、元々数が少ない先祖返りはその存在自体が有名になりがちです。〇〇さん家の◇◇ちゃん、先祖返りなんですって、みたいな。そういった事もあり、和希くんの事は一瞬で広まります。迷惑な話ですね(二回目)。  雅久についてはここでお話できる事はまだまだ少ないのですが。ただ一つ。朱莉さんにとっては印象が薄めな人なのかもーと書いていて思った次第です。  まあ、この兄弟についてはシリーズを通して徐々に、という感じです。今回の個人的メインは虎太郎くんと水虎のお話。実はこの水虎、日本では河童の別称とされているのですが、中国では見た目に違いがある妖怪なんです。水辺に関係する妖怪ではあるのですが、河童、獣容姿が日本、人型容姿が中国らしく。個人的に水虎は名前の印象から美男にしたくて、せめて中国の人型容姿にしようと決めました。虎太郎くんの友だちですからね。喋るタイプの妖怪にしたかったし。結構気に入っています。破天荒な虎太郎くんに対して冷静な水虎。名前もかっこいいし。二人とも虎って付いてるし(偶然です)。  別れる時に水虎が渡したお守りは水虎の鱗です。とても硬い鱗という事で守ってくれそうっていうイメージだけでお守りにピッタリだな!って。これから虎太郎くんを守ってくれるいいお守りになると思います。  そして虎太郎くんと水虎のお話とセットで四課と鴉天狗の契約関係のお話も個人的注目です。分かりやすく相反しているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。虎太郎くんと水虎という「友人関係」、四課と鴉天狗という「契約関係」。友だちとも違う、契約関係とはなんだろう、友だちってなんだろう、みたいな。友達って利害関係の上にあるわけではないですよね。なに当たり前の事を今更…だとは思いますが、無理した人間関係は、感情ではなく、利害一致で一緒にいたりする場合もあるなあと感じた事が過去にあったので、その区別をお話にしてみようかと思った次第です。自分が相手とどうありたいかは、友だち関係以外にもいえる事ですよね。分かっていても人間ってそれを忘れてしまうから不思議。常に自分というものを持っていたいものですね。  物語的な事でいうと、このお話は人間と妖怪の事なので、双方がどのような距離感なのか、とかを知っていただける機会かなと思っています。人間と妖怪というか、四課と妖怪ですね。朱莉さんがあんな感じの人なので、四課が妖怪に対してもほわんとしてそうですね。締めるとこ締めて、あとは緩く。終わりらへんでも、朱莉さんは時々妖怪に対して少々非情というか、やはり祓魔師なんだなっていう部分がありましたのでね。ある程度の距離は保ってます。だからといって険悪な関係でもないという事はちゃんと伝えたくて。確かに恐れるべきものだし、祓魔師にとっては倒すべき存在だけど、無闇に人を襲ったりしない、話ができる良い奴もいるよっていう今回。  鴉天狗は妖怪の中でも人気なイメージがあります。全国的に天狗伝説はありますからね。キャラクター化しやすいし、よく知られているという部分で。設定も作りやすかったです。顔が鴉なだけで体は人っぽい妖怪だから人っぽい生活とかするのかも…とか考えると、序列とかありそう…とかね。いろんな作品で似たような設定は多々見受けられると思います。薄々気付かれたかと思いますが、鴉天狗の組織系は極道の世界感を模しています。昔見た任侠ドラマだったり、ゲームだったりの知識を総動員して、設定を組み立てました。今回はあまりその感じは出なかったのですが、これからちょくちょく出したいと思っています。  そして本格的に動き出します。妖怪異変事件。といってもまだ調査段階かなー。全体で、という意味で動き出します。二話だけど、自分の中でなんかやっと組織っぽい気がしてきたなって感じです。でもまたすぐにそんな雰囲気無くなるんだろうな…。  先祖返りの妖術や妖力量についても書きましたが、分かりました?一応、気を付けたのは、先祖返りは特別なものではない、という事なんです。皆さんなら、どちらが良いですか?技の修得に苦労はしないけど、威力に問題がある方と、修得は大変だし、基本一つしか使えないけど、威力はある方。もちろん祓魔師として、の話ですが、どちらにもメリットデメリットがあります。だからこそ、剣術や体術などで補ったり、仲間同士で協力し合う必要があるんです。これが工夫。次回はその良い例をお話にしたいと思います。  相変わらず朱莉さんは掴めない人ですね。それが彼女の良さでもあるのですが。そんな彼女を愛してもらえたら嬉しいです。  長くなりましたが、あとがきまで読んでくださりありがとうございました。  ご感想もお待ちしております。ぜひお寄せください。
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