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「裕二さんの危機についてっすね?」
「そうだ。暗号で送ってきた『裕二危機」って何のことだ?」
「由一さんのポケットに覚醒剤を入れた男、覚えてるっすよね?」
「あぁ。俺と服装がよく似ていた小汚い男か。」
「そうっす。あいつ、2年前に由一さんが担当した結婚詐欺の被害者の女だったんす。」
「女だったのか?」
「変装のために男にしか見えない身なりにしてたみたいっすね。あいつは被害の後、由一さんのことをひたすらに調べたみたいなんす。」
「よくあるな。」
「よくある程度のことならいいっすよ。あの仕事で由一さん、初めてミスをしてたんす。」
「ミス?」
「由一さんのことを本名で呼ぶウチらとの電話をあの女の近くでしたでしょ?ウチらの声が漏れてたみたいで、由一さんの本名を知ってたんす。」
「それで俺のことを調べ上げることに成功して、俺への恨みから麻薬密売の犯人にでっち上げたと。」
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