第40話「家族②」

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「それで、後は船を日本と真逆に向けてそのまま直進させて俺達は救命ボート代わりの船で日本を目指す。迎えの部下は今乗ってるこの船を出迎える予定だろうから、着岸地点をずらせば本部の奴らを含め誰にもバレずに上陸できる。つまり支部に着くまで少しだけ俺達2人だけで取引の準備をする時間が作れる。服をぼろぼろにしておけば本部のやつらは遭難したとか言って騙せるだろう。」 「確かに時間は作れますけど、本当に少しだけだと思うっすよ?」 「十分だ。ある場所に寄ってあるものを準備するだけだからな。」 「それだけっすか?それで本当に裕二さんを救えるんすか?」 「賭けだ。だけど上手くいけば救える。手はもう打ってあるんだ。」 「何回賭けに挑むんすか…もはや脱獄犯よりギャンブラーって呼ぶ方が似合いますね。」 「よせよ。何も出ない。」 「褒めてないっす。」 …続く。
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