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第41話「帰路」
2032年1月1日午前5時半。俺と千鳥は日本を目指す船の船長室にいた。中ではまだ支部長が眠っている。俺と千鳥は拳銃を持っている。
「千鳥、心の準備は?」
「由一さんにできててウチにできてないわけないっす。」
「流石優秀な相棒だ。」
「今の相棒は浩太さんじゃないんすか?」
「どっちも大事な相棒だよ。」
「浮気性っすね。うわきっしょ。」
「つまんないこと言ってないでさっさと入るぞ。」
俺はドアノブを数度撃って鍵をこじ開けた。そのまま止まることなく2人で押し入り支部長に銃を向け口を開いた。
「支部長、両手を頭の後ろに当ててください。」
「由一?それに千鳥も。これはどういうことだ?」
「わからないか?俺達は組織を裏切るんだよ。」
「何だって?どうしてだ。」
「この組織を潰して裕二を救うためだ。」
「なるほどな…。そういうことか。弟のためにたった1ヶ月で脱獄を果たすとは、やるじゃないか。それはそれとして、俺に銃を向けるとはいい度胸だ。」
支部長は俺に隠し持っていた銃を向ける。千鳥は自分も銃を構えていることを主張するように銃を向け直す。
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