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第3話「脱獄計画①」
「…ここは無人島だ。」
「…本当なのか?どうしてそう思った。」
「お前が好きってた言ったあの花が咲いた木、この辺から引っこ抜いてきたやつなんだよな?」
「そのはずだ。あの真っ赤な花の木だけじゃなくて、その他も全部そのはずだ。」
「あの花はデュランタって花でな。弟も大好きなんだ。子供の頃鉢に植えて家で育ててた。」
「お前が助けに行く弟か?」
「そうだ。その弟から子供の頃に嫌と言うほど好きな植物の話を聞かされてた。だからあの花のおかしな点に気づけた。」
「おかしいのか?」
「あの花はどう見てもデュランタなんだが、赤のデュランタなんて知らないんだ。それに高さもおかしい。あの木は目算で1.2m前後。もう少し高いはずなんだ。」
「それはおかしいな。けどつまりなんなんだ?」
「あのデュランタはここの固有種なんだ。その他にも固有種らしい木が生えていた。固有種は孤島で増えやすい。つまりここは島である可能性が高い。」
「根拠はそれだけか?」
「いや、あと2つある。次の根拠は、職員がここで寝泊まりしてることさ。」
「寝泊まりしてるのか?そんな話聞いたことないぞ。」
「所在地を勘づかれないようにするための荒野って設定を守ろうとしてるからだな。人里離れた荒野なら通勤はかなり大変だ。どれだけ遅刻しないように頑張ったとしても自然が相手だ。やむを得ず遅刻することはあるだろ?」
「確かにそうだな。けどここの看守が遅刻したところは見たことない。」
「だろ?それは寝泊まりしてるからさ。あいつらは帰ってないんだ。毎日だ。陸続きならたまには家に帰りそうだ。」
「少し無理矢理な気もするけど、もう1つ根拠があるんだよな?」
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