海の魔物(弐)

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「お前__」  菅原が何か言い掛けて止めた。  理由は菅原は真尋の後方に誰かがやって来たから。  菅原が見つめる方を真尋も見てみると、そこには探していた人物がそこにいた。 「み、むら………!?」  真尋はその人物の方へ駆け寄ると、間違いなく探していた三村その人だ。 「おい三村っ!! お前何してるんだよ!!探したんだぞ!! 電話も出ないし……」 「高住。ごめん、スマホ無くしちゃって」 「えっ!?」  スマホと真尋、両方を探していたのだと、三村はごめんと謝罪した。  本当に人騒がせだと真尋は怒るも、無事で良かったと言う安堵の方が勝る。  取り敢えず見付かったと、栗郷と利音に連絡し、三村には今すぐ家に帰って貰うようにと栗郷から言われる。  スマホを無くしたと言う三村だが、近くの交番に紛失届を出して帰るようアドバイスする。 「ごめんね。かえって迷惑になったね。 ………ところで彼らは?」  三村の視線の先には菅原と志田がいる。 「あ~あの人達は栗郷さんの仕事仲間らしい」 「仕事……神社の?」 「う~ん、まぁそんな感じ?」  流石に妖祓いの人とは言えず、曖昧に答えて誤魔化した。  三村は納得したのかしてないのか、そう、と一言だけ返事をした。  真尋は三村を駅まで送り届けようと思い、行こうかと促す。 「ねぇ高住」  すると、三村に呼び止められ振り向いたその時___ 「……えっ!?」  真尋の胸に衝撃が走った。  何があったんだと衝撃を受けた胸を見ると、そこには黒いナイフの柄の様な物が刺さっていた。  じわりじわりと血と痛みが広がる中、三村の顔を見ると、無表情で虚ろな目を向けていた。    まさか三村が自分を刺すなんてあり得ないと戸惑いながら、真尋の体は地面に倒れ込んだ。  そしてこの時真尋から連絡を貰った栗郷が駆け付け、真尋が刺された瞬間を目撃してしまった。 「高住__!!」  栗郷の大きな叫び声に菅原と志田が何事かと、真尋と三村の様子が変だと漸くここで気付いた。  
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